King Crimson ALBUM “In the Court of the Crimson King” (1969)


A1) 21st Century Schizoid Man (including “Mirrors”)
A2) I Talk to the Wind
A3) Epitaph (including “March for No Reason” and “Tomorrow and Tomorrow”)
B1) Moonchild (including “The Dream” and “The Illusion”)
B2) The Court of the Crimson King (including “Return of the Fire Witch” and “Dance of the Puppets”)




ジャケットの破壊力は超強力ゆえその存在は昔から良く知っていたが、今更初めて聴いた。
そもそもプログレなるジャンルは若い頃に無意識に呼吸するように自然に吸収してないと厳しいのではないか。
と思いつつもどんなものなのか怖いもの見たさ聴きたさである。

A面を聴き終えた。
尻込みする必要は全くなかった。
同じようにドギマギしながら聴いたピンク・フロイド同様、名盤は年齢に関係なく素晴らしかった。
曲の味付けが濃厚な感じで一回聴けばそちらの世界に引きずりこんでくれる。
カッチリしてズシーンとくるベースやタイトなドラムの音は70年頃の香りで溢れている。
1曲目“21st Century Schizoid Man”のリフは相当癖になる。
突然の静けさ“I Talk to the Wind”で全く違う世界に連れて行かれる。
こうやって聴くと、やっぱりアルバムとして完成されたものが大事であって、例えばサブスクで“I Talk to the Wind”1曲だけ聴いても「連れて」はいってくれないだろう。
3曲目“Epitaph”も同様、この3つが並んでいる事が重要である。

B面、“Moonchild”は何と心に染みる、このアルバムの中で一番良かった。
歌が終わるとしばらく演奏のみが続くが、この部分はもはや現代クラシック音楽の領域か、いや現代音楽より面白く聴けて実に興味深い。
ラストの“The Court of the Crimson King”も「ロック」という分類でよろしいのかBGMとしては成立しない、当たり前だがスピーカーに向かって聴く音楽だ。
アルバム・ジャケットと自分がイメージしていた「プログレ」という言葉からは全く想像できなかったB面2曲は私の理解を超越した。

アナログ・レコード時代に作られたアルバムは(すでに相当聴きこんでいる場合は別にして)アナログ・レコードで聴くか、CDならアナログの曲順でA面で一度止め、サブスクでも同様にアナログのコンセプトを壊さぬように聴くのが大事だと改めて感じた。

ちなみにちょっと恐いジャケットの絵は、音楽を知ってから見るとより一層恐くなる。
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アン・ルイス ALBUM “WOMANISM 1 〜ZEN・KYOKU・SHOO 1974-1984” (1991)


1) グッド・バイ・マイ・ラブ
2) 甘い予感
3) 女はそれを我慢できない
4) 湘南の男たち
5) シャンプー
6) 恋のブギ・ウギ・トレイン
7) リンダ
8) ONE SIDED LOVE
9) ラ・セゾン
10) LUV-YA (ラブヤ)
11) I Love Youより愛してる
12) 薔薇の奇蹟
13) IN PLEASURE
14) 六本木心中



やっぱり先日のアルバムで彼女を評価するのは可哀想だ。
断然こっちの方が良い、当たり前である。

歌わされていた感満載の「ベンチャーズ・アルバム」からわずかな期間だが、「グッド・バイ・マイ・ラブ」は大ヒット曲でもあるし完全に彼女の世界だ。
「グッド・バイ・マイ・ラブ」は6枚目のシングルのようでここからが彼女の音楽の本格的スタートになるのだろう。
その後やや期間が空いて松任谷由実の「甘い予感」、加瀬邦彦の「女はそれを我慢できない」、この辺になると声も落ち着き大人の雰囲気が聞こえてくる。
夫となった桑名正博との出会いが大きかったのか路線がロック系に変わって80年代は三浦(山口)百恵&沢田研二の「ラ・セゾン」、そして極めつけが「六本木心中」であろう。
今となっては「アン・ルイス=六本木心中」のイメージが強く、色々な人がカヴァーしている彼女の代名詞にもなった。
私も個人的に「ラ・セゾン」と「六本木心中」には思い入れがあるが、パワフルな歌唱、エキゾチックな顔立ち、舌っ足らずで甘ったるい日本語というミスマッチが最大の魅力だと思った。

アン・ルイス ALBUM “雨の御堂筋/アン・ルイス・ベンチャーズ・ヒットを歌う” (1972)


1) 雨の御堂筋
2) 二人の銀座 (w. 内田喜郎)
3) 急がば廻れ
4) 長崎慕情
5) 名古屋特急
6) 京都慕情
7) さすらいのギター
8) 東京ナイト (w. 内田喜郎)
9) 京都の恋
10) 10番街の殺人
11) 雷電
12) 北国の青い空



ベンチャーズ・ファンを公言している割りにアンテナが低い、こんなアルバム知らなかった。
「さすらいのギター」だけには言及しているがアルバムとしてこういうものがあったとは...。
アンちゃん初のアルバムのようで、路線としては小山ルミ盤と同じだ。
まだ15〜6歳のアンちゃん、声はかなり幼いし言葉も落ち着かないし音程もおぼつかない。
ベンチャーズなど知らず歌わされている感が強いが、特に渚ゆう子の曲は「日本情緒」などわかる年齢でもなく気の毒な感じ、バック・バンドも平気で音を間違えてるしそれを直しもしないし、いかにもやっつけ仕事だ。
しかし後年の彼女の独特な歌い回しの片鱗が見え隠れするところが面白いし、このすぐ後には「グッド・マイ・ラブ」がヒットするので良い練習にはなっただろう。
なかなか評価が難しい内容だが、やっぱり「さすらいのギター」がお薦めかな。
60年代のベンチャーズの勢いはすでにかげり始めていたが欧陽菲菲や渚ゆう子は人気絶頂期、はたしてどれくらいのセールスがあったのか。

The Beatles ALBUM “1967-1970” (2023 Edition)


1) Strawberry Fields Forever
2) Penny Lane
3) Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
4) With a Little Help from My Friends
5) Lucy in the Sky with Diamonds
6) Within You Without You
7) A Day in the Life
8) All You Need is Love
9) I am the Walrus
10) Hello, Goodbye
11) The Fool on the Hill
12) Magical Mystery Tour
13) Lady Madonna
14) Hey Jude
15) Revolution
16) Back in the U.S.S.R.
17) Dear Prudence
18) While My Guitar Gently Weeps
19) Ob-La-Di, Ob-La-Da
20) Glass Onion
21) Blackbird
22) Hey Bulldog
23) Get Back
24) Don't Let Me Down
25) The Ballad of John and Yoko
26) Old Brown Shoe
27) Here Comes the Sun
28) Come Together
29) Something
30) Octopus's Garden
31) Oh! Darling
32) I Want You (She's so Heavy)
33) Let it Be
34) Across the Universe
35) I Me Mine
36) The Long and Winding Road
37) Now and Then




これまた冒頭の“Strawberry Fields Forever”、受話器から聞こえてくるようなチープなジョンの声が全然違う。
中央から聞こえるメロトロン、そして自然な広がりのステレオの中でジョンの歌がしっかりと存在している。
旧盤では夢の中のようなフワッとした音楽の中でドラムだけが異質のサウンドに聞こえていたが、今度は全体がクリアーになって上手く中和された感じだ。
これはすでに2015年にリミックスされていて今回初めて聴いた。
ツアー活動をやめてレコーディング中心になった後期ビートルズの音楽ゆえ、リミックスやリマスタリングは極めて効果的だと思う。
続く曲も全て2015年以降のリミックスなのでホントに新鮮。
が、往年のファンに受け入れられるかは別、私だって黄金時代のシカゴsoのオリジナルに妙なバランス調整が入ったら、一般的にそちらの方が聴きやすかろうが認めない。
ただBeatles 2023は私のような後追いファンには有難いのも事実である。

♪♪♪♪♪

さてさてこの盤の目玉である“Now and Then”、YouTubeですでに聴いてはいるのだが、改めて赤盤・青盤を通して聴きその最後の最後として聴くと余計にグッとくる。
YouTubeでは当然映像も付いているが、若いメンバーの画が歌に合わさると、更に例えばジョンが悪ふざけしている様子と淋しげな歌が重なるとたまらない気持ちになる。
元々はジョンのペンによる曲、ジョンからポールへのメッセージとも言われているが、今となっては歌詞に登場する“you”はリンゴとポールがジョージとジョンに語りかけているのだろう、思いは尽きない。
映画“Get Back”で彼らの崩壊を見て、“The Long and Winding Road”でビートルズ・ストーリーのラストを聞いたと思っていたのだが、50年後に登場した「新曲」で全てが覆るような感じだ。

The Beatles ALBUM “1962-1966” (2023 Edition)


1) Love Me Do
2) Please Please Me
3) I Saw Her Standing There
4) Twist and Shout
5) From Me to You
6) She Loves You
7) I Want to Hold Your Hand
8) This Boy
9) All My Loving
10) Roll Over Beethoven
11) You Really Got a Hold on Me
12) Can't Buy Me Love
13) You Can't Do That
14) A Hard Day's Night
15) And I Love Her
16) Eight Days a Week
17) I Feel Fine
18) Ticket to Ride
19) Yesterday
20) Help!
21) You've Got to Hide Your Love Away
22) We Can Work it Out
23) Day Tripper
24) Drive My Car
25) Norwegian Wood (This Bird has Flown)
26) Nowhere Man
27) Michelle
28) In My Life
29) If I Needed Someone
30) Girl
31) Paperback Writer
32) Eleanor Rigby
33) Yellow Submarine
34) Taxman
35) Got to Get You into My Life
36) I'm Only Sleeping
37) Here, There and Everywhere
38) Tomorrow Never Knows




いや、まったく音が違う。
赤盤・青盤からビートルズに入った後追いビートルズ・ファンの私であるが、今持ってる赤盤CDは1993リリース盤だからそれも記憶にはないが買い直したもののはずである。
彼らのCDが何回リマスターされているかは詳しくないのだが、今回の赤盤は全て2022か2023のリマスターだ。

冒頭“Love Me Do”のポールのベースでまず驚く。
えっ?こんなんだったっけ?
「B&Wでの初めての赤盤」が理由かも知れず、思わず古い方を出して聴き比べたがスピーカーのせいではなかった。
弾けるようなベース、そして各楽器の奥行の感じが大分違う。
聞くところによるとビートルズのメンバーはステレオ盤のミックスダウンには興味がなく人任せだったようだが、今回は“Revolver”で奇跡のリミックスを行ったジャイルズ・マーティン氏の手によるもので、なるほど素晴らしい。
静かめな“And I Love Her”を聴けば楽器の位置関係やバランスが変わり、その結果奥行まで感じられるようになるのが分かる。
“Yesterday”では“Eleanor Rigby”同様綺麗に左右バランスが整えられ中央のポールを弦楽アンサンブルが取り囲む。
旧盤ではアンプのバランスを右チャンネルに振れば弦楽器が全く聞こえなくなるという不自然さだったが、見事な仕上げである。

ただし赤盤・青盤、特に赤盤ファンの私はその曲順まで何となく分かっているので、これが来たら次はこれ...が、おっとっと崩れる、新たに12曲追加されているからだ。
12曲と言えばLP1枚分であるから結構お得...ということにしておく。

♪♪♪♪♪

今回は赤盤・青盤のセットで買った(のではなく、あるところのポイントで貰った...)が、購入理由は「ビートルズの新曲“Now and Then”」が青盤に含まれているからで個人的目玉はそこに尽きる。

大橋純子 ALBUM “Terra” (2007)


1) 時代
2) 季節の中で
3) ワインレッドの心
4) 地上の星
5) 大空と大地の中で
6) 恋の予感
7) 未来予想図II
8) プリズム
9) LOVE LOVE LOVE
10) HOWEVER
11) シルエットロマンス



Junko Ohashi dies at 73 (April 26, 1950 - November 9, 2023)

大橋純子は車の中でよく聴いた。
恐らくまだJ-POPという言葉がなかった1970〜80年代は歌謡曲全盛、アイドル、演歌、実力派...全てがテレビの歌謡番組に集結していた。
敢えて「実力派」としたが実際そんな区分けはなく、自分の中ではしばたはつみや八神純子、サーカスなどの大人な感じの存在、その第一人者が大橋純子だった。

♪♪♪♪♪

彼女の訃報を知り久し振りにその声に接した。
アルバム“Terra”は他のアーティストのカバー曲が多い。
彼女の持ち歌の「シルエットロマンス」は別にして、同様に実力派の玉置浩二(安全地帯)の曲などは歌いこなすだけでも難しそうだがさすがの歌唱である。
どこか雰囲気の似ている吉田美和(ドリカム)は安心感、またちょっと毛色の違う中島みゆきや松山千春も大橋色に染めながら歌いこなすなどは見事。

ボサノヴァ調の「季節の中で」(アナログ盤のノイズ・エフェクトは必要か?)、ヘヴィーな8ビートの「ワインレッドの心」がとても良かった、そして何より断トツ「シルエットロマンス」なのは間違いない。
この盤の「シルエットロマンス」はオリジナルでなくピアノ伴奏による再録音なので今日この日に聴くと余計に心に染み入る。

R.I.P. Junko

Elvis Presley ALBUM “Elvis as Recorded at Madison Square Garden” (1972/Live)


A1) Introduction: Also Sprach Zarathustra (Theme From 2001: A Space Odyssey)
A2) That's All Right
A3) Proud Mary
A4) Never Been to Spain
A5) You Don't Have to Say You Love Me
A6) Polk Salad Annie
A7) Love Me
A8) All Shook Up
A9) Heartbreak Hotel
A10) Medley: (Let Me Be Your) Teddy Bear / Don't Be Cruel
A11) Love Me Tender
B1) The Impossible Dream (The Quest)
B2) Hound Dog
B3) Suspicious Minds
B4) For the Good Times
B5) American Trilogy
B6) I can't Stop Loving You
B7) Can't Help Falling in Love




邦題「エルヴィス・イン・ニューヨーク」、私のエルヴィス・アルバムの中では一番の古参だ。
当然再生回数もベスト1である。
「アロハ・フロム・ハワイ」は映像付というアドヴァンテージがあるが、純粋に音楽だけで言えばこちらの方が好きだ。
今回初めてB&Wで聴いたがこんな音で録られていたのか、耳からウロコ、目の覚める思いだ。

♪♪♪♪♪

お馴染みの“2001”に続いてドラムのソロ、そしてトランペットのパワフルなイントロ、お決まりのパターンではあるがここまでで気持ちが相当高揚する。
エルヴィスの登場は観客の盛り上がりで分かる。
多くのステージではこのイントロに続いて“Oh See! see see rider!”と始まるのだが、このコンサートは“That's All Right”が歌われる。
なので私はこちらの方が慣れている。
どう聴いてもロックというよりカントリー・フィールのジェームズ・バートンがいつものサイケなピンクのテレキャスター(...だと思う)でソロをとる。
最終コーラスではドラムのロニー・タットがツインのバスドラ連打で煽るわ煽るわ、1曲目で完全にエルヴィス・ワールドを作り上げる。

続く“Proud Mary”がまた良い、オールド・ロックだけでなく当時のヒット曲も取り入れながらコンサートを構成する。

“Polk Salad Annie”ではジェリー・シェフのフェンダー・ベースが唸りを上げる。
クリアーなジェームズのギターに対してベースは荒々しく歪む、この対比が格別だ。

“Hound Dog”は敢えてゆっくりとそして低い音域で2コーラス、観客をじらす。
その後にアップテンポでシャウト、最後は軍隊風の掛け声もあって会場を盛り上げる。
観客が何を待っているかがちゃんと分かっている。

コンサートのクロージングに続き、これもお馴染み“Elvis has left the building”のアナウンス。
何やらこの言葉は英語の慣用句として別の意味合いで使われるようになったとか。
さすがスーパースターである。

The Ventures ALBUM “Going to the Ventures Dance Party!” (1962/Mono)


A1) Mr. Moto
A2) Theme from Come September
A3) Ya Ya Wobble
A4) Night Drive
A5) Venus
A6) The Intruder
B1) Gandy Dancer
B2) Sweet and Lovely
B3) Limbo Rock
B4) Lolita Ya-Ya
B5) Loco-Motion
B6) Gully-Ver




「ローマの休日」を意識したであろうファッションとベスパ、時代を感じさせるジャケットだ。
“Twist with The Ventures”、“Dance with The Ventures”、“Twist Party Vol.2”...と踊り系のタイトルが付くこの頃のアルバムもやはり時代か。

♪♪♪♪♪

さてこのアルバムは結構良い。
冒頭“Mr. Moto”はとてもイケてるし続く曲も選曲、演奏ともに冴えてる感じだ。
もっとも特別に大ヒットしたアルバムでもないからこれは私の感性と合うという意味である。
まだモズライトの爆発力はないしアルバム背面の写真はドンとボブの親方二人だけだからバンドの一体感が出てくるのはこれからだ。
一曲一曲が短くシングル盤ならジュークボックスにコインを入れてさぁ踊ろう!である。
ところどころに入る女声コーラスも雰囲気を盛り上げてくれるし、アルバム・ランキング(手許の資料では最高で全米93位)はもっと上でもいい気もするが、1年で3枚も4枚もアルバムを作っている時代、そうもいかないか...。

Paul Mauriat ALBUM “Best 100” - CD4 (2015)


1) そよ風のメヌエット
2) この胸のときめきを
3) 哀しみのショパン
4) ペイネ~愛の世界旅行
5) 輝く星座
6) 黒いワシ
7) 雪が降る
8) パリのあやつり人形
9) 小さな願い
10) 想い出のトッカータ
11) 愛のおそれ
12) メモリー~「キャッツ」
13) さよならをもう一度
14) 愛のトラヴィアータ ~「椿姫」前奏曲
15) タイスの瞑想曲
16) マラゲーニャ
17) ビギン・ザ・ビギン
18) 雨
19) やさしく歌って
20) マイ・ウェイ




ボックス4枚目であるがB&W 805 D3で聴くポール・モーリアは初めてである。
今まではどちらかというとおとなしめのTANNOY Greenwichで聴いていたわけだが、中高生の頃に聴いていたポール・モーリアはDIATONE DS251mk2でドンシャリ聴いていたのでB&Sの方が昔に近い。
そして初期ポール・モーリア・サウンドもドンシャリの方がよく似合う。

♪♪♪♪♪

時代時代によって録音の方向性がいろいろあると思うが、70年代あたりのドラムのビーターとベースが同タイミングでミックスする音がたまらない。
ドスッドスッに音程が付くわけで、バスドラとベースのダブル低音がDS251mk2の25cmウーファーを揺らしていたのを思い出すと今でも興奮である。
ポール・モーリア氏は単に「8ビートで叩け」でなく、この辺まで含めて楽譜に書いていると思う。
1曲目2曲目とお馴染みのポール・モーリア・サウンドで一気に雰囲気を盛り上げる。
2曲ともLP時代からのお気に入りで何十回聴いたか分からない。
異彩を放つのは「さよならをもう一度」、「愛のトラヴィアータ」、「タイスの瞑想曲」のクラシック音楽トリオ、「さよなら〜」は原曲のイメージを残しブラームス色に染まるが「タイス〜」はとてもポップなアレンジ、「愛の〜」はその中間という感じで、元はクラシック楽曲とは言え同じようなアレンジにならないところがポール・モーリア氏の面白いところだ。
他には「黒いワシ」の弦のさざ波に乗るピアノソロ、「雪が降る」のテーマが8小節終わってからの8ビートにゾクゾクする。

Harry Belafonte ALBUM “Belafonte at Carnegie Hall” (1959/Live/Mono)


A1) Introduction Darlin' Cora
A2) Sylvie
A3) Cotton Fields
A4) John Henry
A5) Take My Mother Home
B1) The Marching Saints
B2) Day O
B3) Jamaica Farewell
B4) Man Piaba
B5) All My Trials

Harry Belafonte (vo) / Millard Thomas (g) / Raphael Boguslav (g) / Norman Keenan (bs) / Danny Barrajanos (bongos, conga) / Robert Corman Orchestra




先日中古で仕入れたSFC SK FILTER、静電気対策のやつだ。

IMG_5888.jpeg

大昔もこういうの持っていたが中古で安かったからまぁいいかと買ってみた。
まだまだ静電気云々...という時期ではないがこれも中古ゆえタイミング、最近こういうのが多い。
なかなか実感しづらいその効果であるが、今回は効いてるかも知れない。
レコード再生中のパチパチでなく、夏場でも結構ある再生後のターンテーブルからレコードを持ち上げる(剥がす)瞬間に発するパチパチが感じられない。
いつもなら感じるものがなくなっているのは効果があると判断する。
冬に期待する。

♪♪♪♪♪

何故かオーディオ雑誌で見かけるハリー・ベラフォンテのライヴ・アルバム、このジャケット絵柄が印象に残っていた。
Stereo Sound誌のウェブ・ショップで見かけた180g重量盤2枚組、価格は約1万円のやつだ。
それは高価すぎて遠慮するがこちらは中古ショップで300円、アルバム自体がオーディオ的に優れているなら聴いてみたい。

本来2枚組の1枚目だけのレコード、恐らくコンサートの第1部だけの収録だが、一番のヒット曲である“Day O”は入っているし私的にそれで十分である。
ラストの“All My Trials”はプレスリーの「アメリカの祈り(An American Trilogy)」に挿入される歌で私にはお馴染みだ。
まだ30代の若々しい声は張りがあるし艶があるし細やかで綺麗なヴィブラートもあって気持ちの良い歌声だ。
歌う曲は民謡、労働歌、黒人霊歌などメッセージ性が強いものが多く、このコンサートも慈善活動の一つらしい。
人気歌手である以上エンターテインメント要素ももちろんあろうが、彼にとっての歌はもっと大きなものを目指しているに違いない。

で、前述の「オーディオ的に優れているなら...」であるが、バックの音や聴衆の拍手はともかく、ハリー・ベラフォンテの声は実に明瞭である。
モノラルなので得意のスピーカー1本聴きであるが、奥行も感じられるし1959年ライヴの音としてはかなり上質である。

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