2024/01/08
King Crimson ALBUM “In the Court of the Crimson King” (1969)
A1) 21st Century Schizoid Man (including “Mirrors”)
A2) I Talk to the Wind
A3) Epitaph (including “March for No Reason” and “Tomorrow and Tomorrow”)
B1) Moonchild (including “The Dream” and “The Illusion”)
B2) The Court of the Crimson King (including “Return of the Fire Witch” and “Dance of the Puppets”)
ジャケットの破壊力は超強力ゆえその存在は昔から良く知っていたが、今更初めて聴いた。
そもそもプログレなるジャンルは若い頃に無意識に呼吸するように自然に吸収してないと厳しいのではないか。
と思いつつもどんなものなのか怖いもの見たさ聴きたさである。
A面を聴き終えた。
尻込みする必要は全くなかった。
同じようにドギマギしながら聴いたピンク・フロイド同様、名盤は年齢に関係なく素晴らしかった。
曲の味付けが濃厚な感じで一回聴けばそちらの世界に引きずりこんでくれる。
カッチリしてズシーンとくるベースやタイトなドラムの音は70年頃の香りで溢れている。
1曲目“21st Century Schizoid Man”のリフは相当癖になる。
突然の静けさ“I Talk to the Wind”で全く違う世界に連れて行かれる。
こうやって聴くと、やっぱりアルバムとして完成されたものが大事であって、例えばサブスクで“I Talk to the Wind”1曲だけ聴いても「連れて」はいってくれないだろう。
3曲目“Epitaph”も同様、この3つが並んでいる事が重要である。
B面、“Moonchild”は何と心に染みる、このアルバムの中で一番良かった。
歌が終わるとしばらく演奏のみが続くが、この部分はもはや現代クラシック音楽の領域か、いや現代音楽より面白く聴けて実に興味深い。
ラストの“The Court of the Crimson King”も「ロック」という分類でよろしいのかBGMとしては成立しない、当たり前だがスピーカーに向かって聴く音楽だ。
アルバム・ジャケットと自分がイメージしていた「プログレ」という言葉からは全く想像できなかったB面2曲は私の理解を超越した。
アナログ・レコード時代に作られたアルバムは(すでに相当聴きこんでいる場合は別にして)アナログ・レコードで聴くか、CDならアナログの曲順でA面で一度止め、サブスクでも同様にアナログのコンセプトを壊さぬように聴くのが大事だと改めて感じた。
ちなみにちょっと恐いジャケットの絵は、音楽を知ってから見るとより一層恐くなる。